令和5年都道府県地価調査が公表されました！

　国土交通省より令和5年9月20日に令和5年度の都道府県地価調査が発表されました。年に2回不動産の土地の地価について国土交通省より地価公示価格（1月1日時点の価格）と都道府県地価調査価格（7月1日時点の価格）が公表されます。相続税で評価する際に使用する土地の１㎡当たりの単価である路線価（1月1日時点の価格）は、この地価公示価格の概ね80％程度の単価で設定されております。よって、地価公示価格が上昇傾向で公表されますと、同様に7月1日で公表される路線価も同様に上昇することになります。今回公表される都道府県地価調査については地価の変動を表す指標として有用なものになりますので、ご紹介させて頂ければと思っております。

　令和4年7月以降の1年間の地価について全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇し、上昇率が拡大しました。

　三大都市圏平均では、全用途平均・商業地は、東京圏では11年連続、大阪圏では2年連続、名古屋圏では 3年連続で上昇し、上昇率が拡大した。住宅地は、東京圏、名古屋圏では3年連続、大阪圏では2年連続で上昇し、上昇率が拡大しました。

　地方圏平均では、全用途平均・住宅地は31年ぶり、商業地は4年ぶりに上昇に転じました。地方四市では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも11年連続で上昇し、上昇率が拡大しました。その他の地域では、全用途平均は30年続いた下落から横ばいに転じ、商業地は 32 年ぶりに上昇に転じました。

　新型コロナの影響で弱含んでいた地価は、景気が緩やかに回復する中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏を中心に上昇が拡大するとともに、地方圏においても住宅地、商業地ともに平均で上昇に転じるなど、地価の回復傾向が全国的に進みました。

（出典：国土交通省「令和5年都道府県地価調査結果の概要より」

詳細の情報は、以下の国土交通省のリンク先をご参照頂ければ幸いです。

　上記の全国の平均を見て頂いても分かるように近年地価は上昇傾向で推移しております。新型コロナウイルス感染症の影響により、外出規制などの行動制限が行われ経済も停滞しました。地価も影響を受け、インバウンド需要の影響も受け上昇で推移していた地価も、令和3年度では商業地では多くの地点で地価は下落に転じました。その後、新型コロナウイルスの影響も弱まり、多くの地点で地価はコロナウイルスの影響を受ける前の水準まで回復基調にあります。

　私が所在している尼崎市の地価調査の価格を見ても、令和5年度の地価調査価格は住宅地・商業地・工業地全て前年の価格よりも上昇しております。

　参考までに下記に、尼崎市内における地価調査ポイントの価格と変動率の一覧を添付しておりますのでご参照頂ければと思います。

　今回は直接税金に関連するというわけではありませんが、都道府県地価調査の金額は地価の動向を把握する上では有用な指標です。路線価は一度発表した数値は1年間そのまま使用しますので、令和5年度7月1日時点の地価動向は、令和6年に発表される路線価がどう上昇するのか参考になります。また、土地の売却を検討する際にも、ご自身の所有されている土地の地域の地価水準が上昇傾向なのか、又は減少傾向なのかを把握することにも繋がりますので、ご興味があれば地価公示価格や都道府県地価調査価格を見て頂ければと思います。

　下記のリンク先が地図上に地価公示・都道府県地価調査の各地点の価格と推移をすぐ見れるので、便利かと思います。