借地権と底地とは?相続税評価額にはどのように影響するの?

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借地権と底地とは?相続税評価額にはどのように影響するの?

借地権と底地とは?相続税評価額にはどのように影響するの?

2026/07/02

遺産に土地が含まれているとき、その土地が「誰かに貸している」あるいは「借りている」という状態だと、価格の算定の仕方が変わるということをご存知でしょうか。

借地権と底地という2つの概念は、土地の相続税評価額の問題と深く関わっていますので、まずはそれぞれの言葉の意味、そして相続時の評価額への影響についても確認していきましょう。

借地権と底地それぞれの意味

土地の「借地権」と「底地」は、ひとつの土地上に重なり合って存在する2種類の権利です。相続を考える上でも重要な概念なので、まずそれぞれの意味を確認しておきましょう。

借地権とは

借地権とは「建物を建てることを目的に地主から土地を借りたときの、当該土地を使う権利」を指します。

地代(土地の使用料)を地主に支払いながら自分の建物を建てて利用する、というシチュエーションが典型例です。

借地権は借りている側(借地人)が持つ権利であり、長期にわたって保護されるため、単なる賃借権とは異なり財産的な価値を持つ権利として扱われます。

底地とは

底地(貸宅地とも呼ばれる)とは「借地権が設定されている土地のうち、地主側に残る所有権部分」を指します。「他人(借地人)が使っている土地の、地主としての持ち分」とも言い換えられます。

底地の所有者は地代を受け取れる一方、借地人がいる間は自分では自由に使えません。

底地を相続するときの注意点

相続税評価額が低いと更地などと比べて税負担は小さくなりますが、底地は売りにくいという別の問題を抱えていることも少なくありません。底地を買った側は借地人がいる土地を取得するにすぎず、市場での需要が限られるためです。

そこで底地を相続した後で次のアクションをとることも考えておくと良いでしょう。

 

  • 借地人に底地を売却する
  • 借地人から借地権を買い戻し、更地として利用または売却する
  • 底地と借地権を同時に第三者へ売却する
  • 現状のまま地代収入を得ながら保有し続ける

普通借地権と定期借地権の違い

一般的な普通借地権のほか、「定期借地権」というものもあり、相続税の評価方法も異なります。

普通借地権は借地借家法に基づく一般的な借地権で、契約が更新されやすく借地人の権利が強く保護されています。

一方の定期借地権は「あらかじめ定めた期間が満了したら更地で返還しなければならない」という制約があり、残存期間が短いほど権利としての価値も下がるため評価方法も複雑になります。

相続したときは運用の仕方も普通借地権とは異なりますので、注意が必要です。

自分だけで使える土地より評価額は下がる

相続税の財産評価は、その財産を「どれだけ自由に使えるか」によって変わります。他人に貸しているために自由に使えない部分があれば、その分だけ評価額が下がる仕組みとなっているのです。

そこで借地権および底地については、貸し借りの関係がない自己の土地※を基準にして次のように価値が評価されます。

※「自用地」のこと。自宅や自分の店舗、更地など、所有者が自由に使える土地を指す。

 

借地権の評価

評価額は「自用地の評価額×借地権割合」で求める。

借りている側の権利として評価される。
底地の評価

評価額は「自用地の評価額×(1-借地権割合)」で求める。

貸している地主側のものとして評価される。

 

なお、「借地権割合」とは借地人の権利が土地全体の価値のうちどれだけを占めているか、を表した指標です。

借地権割合の大きさ

評価額の計算に出てくる「借地権割合」とは、その地域における土地の価値のうち、借地人の権利が占める割合のことです。

国税庁が地域ごとに定めており、路線価図に記号で示されています。

記号

借地権割合

A

90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

出典:国税庁HP
https://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

 

もし借地権割合が70%の地域なら、底地の評価額は自用地評価額の30%になります。自用地として1億円の土地であれば、借地人は7,000万円相当の借地権を相続することとなりますし、土地所有者は底地として3,000万円相当の財産を持つ計算となります。

なお、借地権割合の大きさは都市部ほど大きい傾向にあります。

相続税評価額と一般的な資産価値の評価方法は異なる

ここまでで紹介した相続税評価額はあくまで「税金を計算するための価額」であり、実際の売買価格や遺産分割での評価と一致するとは限りません。

実際の資産価値を評価する場面では、次のような要素が大きく影響します。

 

  • 市場での売りやすさ(買い手が付きやすいかどうか)
  • 借地人と地主の関係性や契約条件(地代水準、更新条件など)
  • 借地権と底地を一体化する際のコスト(税金、仲介手数料、立退き交渉など)

 

そのため遺産分割協議においても、将来の処分のしやすさやリスクを踏まえ価値を調整することが多いです。

相続税評価額はあくまで税金を計算するための指標であって、遺産分割や売却の判断材料としては、別途不動産業者や税理士等の意見も踏まえて総合的に検討するという姿勢が重要になります。

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