相続した不動産を売るとき税金がかかる?知っておきたい譲渡所得税とその特例

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相続した不動産を売るとき税金がかかる?知っておきたい譲渡所得税とその特例

相続した不動産を売るとき税金がかかる?知っておきたい譲渡所得税とその特例

2026/05/28

親や祖父母から相続した不動産をそのまま使用するケースもあれば、使いどころがなく「売却しようか」と考えるケースもあります。売ってしまえば複雑な管理作業も必要なくなりますし、資金が得られる可能性もあります。

しかし売却によって利益が出るときは税金の問題にご注意ください。譲渡所得税が発生する可能性があります。

不動産の売却で税金がかかるケースとは?

不動産の売主に税金の負担がかかるのは、「売却によって利益(譲渡所得)が生じるケース」です。

基本的には次の算式から譲渡所得の有無を調べられます。

譲渡所得 = 売却価格−(取得費+譲渡費用)

「取得費」とは、過去にその売却対象の物件を取得するためにかかった費用のことです。購入代金、購入時の仲介手数料、増改築費用などが含まれます。
「譲渡費用」は、今回の売却に要した各種費用(仲介手数料や測量費など)のことです。

よって、売却価格が2,000万円だとしても、取得費に1,500万円、譲渡費用に500万円かかったとすれば、譲渡所得はゼロになり譲渡所得税の負担は発生しません。反対に、売却価格が相対的に大きい、取得費や譲渡費用がかなり安く済んだ、といったケースでは譲渡所得税の負担も発生しやすくなります。

「相続」で取得した不動産の取得費の考え方

相続で受け取った不動産に関する取得費は、「被相続人(亡くなった方)がその不動産を取得したときの購入代金や購入手数料など」をもとに計算するのが原則です。

たとえば、親が30年前に1,200万円で購入した土地を相続して売却するとき、取得費は当時の1,200万円(諸費用含む)をもとに計算することができます。

ただ、相続不動産においては「購入価格を証明する書類(売買契約書や領収書)が見つからない」という問題が起こりやすいです。

売却価格の5%を概算取得費として用いることも認められますが、購入価格が高かった場合などには実態より税負担が大きくなるため、できるだけ証明書類を見つけた方が良いでしょう。

なお、証明書類が残っていなくても、当時の振込記録や抵当権設定の登記情報などから取得費の金額を裏付けられる場合があります。税理士にアドバイスを求めるなどして、諦めず入念に調査することが大切です。

所有されていた期間が長いほど税率は小さくなる

譲渡所得に対し適用される税率は、売却した年の1月1日時点での「所有期間」によって異なります。

 

区分 所有期間 所得税率 住民税率
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

短期譲渡所得

5年以下

30% 9%

 

このように税率が2倍近く変わるため、売却のタイミングは慎重に判断しましょう。

また相続した不動産に関して重要なポイントとして、「被相続人が所有していた期間も通算できる」という点が挙げられます。そのため相続した時点からの期間で考える必要はなく、被相続人がいつから持っていたのかを考えれば良いのです。

負担軽くできる特例・制度をチェック

所定の要件を満たせば税負担を軽減できる仕組みも用意されています。特にチェックしておきたい主な制度を3つ紹介します。

①マイホームに対する3,000万円の特別控除

売る対象が「マイホーム」であるケースで適用できる制度です。

要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。

被相続人が居住していた自宅を引き継ぎ、その家を自らのマイホームとして使ったうえで売却する場合などで、この特例を適用できる余地があるでしょう。

もし別居していた相続人が実家を相続してこの特別控除を使えなくても、次に説明する空き家特例の対象になる可能性はあります。

②空き家に対する3,000万円の特別控除

別居していた相続人が「親の実家(空き家)」を売るケースでも、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。

主な適用要件は以下のとおりです。

 

  • 亡くなるまで被相続人が一人で住んでいた住居である
      ※老人ホーム等への入所中に亡くなった場合でも対象になり得る。
  • 相続から売却までに、事業や賃貸、居住用として使われていないこと
  • 譲渡価額が1億円以下であること
  • 親族など特別な関係性にある人物への売却でないこと
  • 特例の適用期限内(令和9年12月31日まで)に売ること

 

なお、相続人が3人以上いるときの控除額は最大2,000万円となる点、またマンション(区分所有建物)はこの対象外となる点にも注意が必要です。

③納付した相続税額を取得費に加算できる特例

相続税を支払った方が、相続した不動産を一定期間内に売却する場合、支払った相続税の一部を取得費として加算できる特例があります。取得費が増えることで課税される譲渡所得の金額が小さくなり、結果として譲渡所得税の負担が軽くなることもあるでしょう。

ただし次の要件は満たさなくてはなりません。

 

  • 相続や遺贈によって不動産を取得した人である
  • その不動産に関して相続税を納めている
  • 相続税の申告期限翌日以後3年を経過する日までに売却している

 

このようにさまざまな制度が用意されていることにも留意し、税額の計算を進めていきましょう。
正確な税額の把握、申告手続きに関しては税理士にご依頼いただくと安心です。

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