相続税における基礎控除の仕組み|計算方法の基本と注意点などを解説

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相続税における基礎控除の仕組み|
計算方法の基本と注意点などを解説

相続税における基礎控除の仕組み|計算方法の基本と注意点などを解説

2025/03/04

相続税における基礎控除は、相続財産の一定額を課税対象から除外する制度で、条件などなく常に適用することができます。この仕組みにより、多くの一般的な相続ケースで相続税が課されないようになっているのです。
当記事ではこの基礎控除の計算方法や注意点を詳しく解説し、相続税の仕組みをわかりやすく説明していきます。

相続税の基礎控除とは

相続税における基礎控除は、一般的な相続では税負担が生じないようにするとともに、相続人の最低限の生活維持を図る目的で設けられている控除制度です。相続税の公平性を保ちつつ、一般的な資産規模の相続に対する過度な税負担が発生しないよう、重要な役割を果たしています。

ただ、近年の動向として、2015年以降の相続から基礎控除額が引き下げられたという大きな変化がありました。それでも相続税の申告を要する方は相続全体の1割程度に過ぎませんが、この改正によって相続税の課税対象者は増えることとなりました。

遺産が基礎控除額より小さければ申告不要

遺産の合計額を調べ、その金額が基礎控除額より小さいことがわかれば、相続税の申告を行う必要がないと判断できます。
そこで身近な人が亡くなり相続が開始されたときは、遺産を調査し、基礎控除額との比較をしてみましょう。明らかに基礎控除額を下回るのであればそれ以上相続税について注視する必要はなくなるでしょう。
ただし、予想外の財産が出てくることがありますし、不動産や株式などに対し誤った評価をしてしまっている可能性もあります。申告義務・納税義務を正しく履行できなかった者に対する法令上のペナルティもあるため、できれば税理士にチェックしてもらうことをおすすめします。

基礎控除額の計算方法

具体的な控除額は以下の計算式から求められます。

基礎控除額 = 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

この計算式からわかるように、基礎控除額は固定ではありません。3,000万円を基準としておりこの部分は一定ですが、法定相続人の人数が多いほど控除額が加算されていく仕組みになっています。
そこで、同じ遺産総額となる相続であっても、子ども等の数が多いほど税金の負担は小さくなります。

具体的な計算例

基礎控除額の計算をより理解しやすくするため、いくつかの具体例を見てみましょう。

《 ケース1:妻と長男・次男がいるとき 》
法定相続人の数:3人(配偶者1人+子2人)
基礎控除額:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

《 ケース2:夫なし、長男・長女・次男がいるとき 》
法定相続人の数:3人(子3人)
基礎控除額:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

《 ケース3:妻と子なし、父・母がいるとき 》
法定相続人の数:2人(父1人+母1人)
基礎控除額:3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円

《 ケース4:子と父母なし、妻と弟・妹がいるとき 》
法定相続人の数:3人(配偶者1人+兄弟姉妹2人)
基礎控除額:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

《 ケース5:法定相続人なし、受遺者がいるとき 》
法定相続人の数:0人
基礎控除額:3,000万円+(600万円×0人)=3,000万円

これらの例から分かるように、法定相続人の組み合わせは金額に影響がありません。配偶者の有無、子の有無などは関係なく、「法定相続人が何人いるのか」という情報のみが計算に寄与します。
なお、ケース5で示したように、遺産の受取人はいるものの法定相続人がいないという状況も起こり得ます。このときでも基礎控除の適用は可能ですが、控除額は比較的小さくなります。

よくある疑問と注意点

相続税の基礎控除に関してよく混乱する事柄がいくつかあります。
ここでは、特に重要な3つの点について紹介します。

法定相続人がいないときはどうなる?

法定相続人がいないときでも、上述のとおり基礎控除の適用自体は可能ですが、基礎控除額は3,000万円のみです。
遺言書によって受遺者や特別縁故者が財産を相続することもありますが、その人数については控除額の計算に影響しません。

養子は人数に含められない?

養子も法定相続人として基礎控除の計算に含めることができます。
ただし、一定の制限があります。
被相続人に実子がいるのなら計算に含めることができる養子は「1人まで」。実子がいない場合でも「2人まで」に制限されています。これは節税目的での養子縁組を防ぐための措置です。

相続放棄をした人がいるとどうなる?

相続放棄をした人も、基礎控除額の計算上は法定相続人として扱います。
よって、相続人の一部が相続放棄をしたとしても、そのほかの相続人の負担が増えるなどの影響はありません。

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