宮本税理士事務所

【尼崎市】資産管理会社の活用について

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所得税が高い方の資産管理会社の活用について

所得税が高い方の資産管理会社の活用について

2023/01/09

不動産の個人or法人所有の検討

 不動産を多数所有されている地主様や不動産オーナー様については、所得税が高くてお悩みの方も多くいらっしゃるかと思います。そして相続時にはさらに相続税が課税されるため、不動産を多数所有することにより様々な税金がかかってきます。税金の負担をなくすことは現実的には出来ないですが、不動産の所有形態を変えることにより、税負担が軽減される場合がありますので、どのような場合に該当するのかご紹介したいと思います。

所得税・法人税の相違について

-税率の差について-

 所得税と法人税について、同じ所得(もうけ)に対して課税する税金という点では共通しています。しかし、両者には様々な相違点があり、一つは税率・課税方法が大きく異なります。所得税は所得金額が増えるにつれて段階的に税率が高くなる累進課税を採用しておりますが、法人税は一定の税率となります。資本金1億円以下の中小法人を前提に記載させて頂きますと、次のようになります。

所得金額が10,000,000円の場合を例に、計算イメージを下記に記載させて頂きます。

<個人の税負担>

  • 住民税の計算は、所得金額は同額の前提のもと、住民税の税率10%を考慮して計算します。
  • 復興特別所得税の計算は省略しております。

①所得税の計算式 10,000,000円 × 33% - 1,536,000円 = 1,764,000円

②住民税の計算式 10,000,000円 × 10% = 1,000,000円

【税負担額】 ① + ② = 2,764,000円

法人の税負担>

  • 前提として、所得金額が年4,000,000円までの実効税率を21.37%、4,000,000円から8,000,000円までの実効税率を23.17%、8,000,000円超の実効税率を33.58%として計算します。均等割額は考慮しておりません。

【税負担額】 4,000,000円 × 21.37% + 4,000,000円 × 23.17% + 2,000,000円 × 33.58% = 2,453,200円

計算の結果、個人の方が31万円ほど税負担が重くなります。

 このように、同じ所得であって税負担額が異なりますので、不動産の所有形態を個人で所有するのか、法人で所有するのかによって、今後の税負担にも大きな影響がございます。計算例は例示として単純化して計算しておりますので、実際に1,000万円の所得がある方の税負担額とは異なるとは思いますので、あくまでご参考としてご認識頂ければ幸いです。

特に税率に注目してみて頂きますと、法人では所得金額が800万円を超える部分について、法人税・住民税・事業税のすべてを考慮した実効税率33.58%を乗じて計算します。個人では、所得税・住民税を合算した税率で考えますと900万円未満の金額は約33%の税率で課税されますので、両者に違いはほとんどみられません。

 しかし、所得金額が900万円以上となると個人では約43%の税率が課税されます。法人の場合は税率が一定となりますが、個人の場合には所得が多くなればなるほど税率が高くなり税負担が重くなります。このことから、所得税の対策の一つとして法人の活用が有効となります。一般的には、所得が1,800万円以上ある方については法人を活用した方が税負担が低くなります。これは一つの目安であるため、所得金額が1,000万円の場合であっても法人が有利となる可能性はあります。

法人所有のメリット・デメリット

 

 不動産を個人で所有する場合には、所有者である地主様や不動産オーナー様の意思能力がなくなってしまった場合には問題が生じる場合があります。仮に不動産を売却しようとしても所有者に意思能力がないと売買契約が締結出来なくなります。そういった意思能力の問題についても法人で不動産を所有する場合には、売買契約を締結することが可能となります。法人を所有する場合に代表的なメリットとデメリットを記載すると次のようなものがあります。

<メリット>

  1. 所得が高くても税率が固定される。
  2. 不動産の所得を個人に給与で分散出来る
  3. 社会保険に加入することで、国民健康保険から健康保険へ切り替えが出来る。
  4. 認知症対策としても活用出来る。
  5. 個人所有の場合では増加する個人財産の増加を抑制出来る。
  6. 相続登記をする必要がなくなる。

 法人で不動産を所有する大きなメリットとしては、不動産収入を法人に集約することにあります。前提として、親族を法人の取締役に就任させることで役員報酬を支払い、不動産の収入を分散させることが可能となります。一人で所有していれば高い所得税の負担となりますが、このように法人を介することで所得を分散し、結果として低い税率での課税で済ませることが出来ます。

 これは相続税を検討する場合も有効です。個人で所有する場合には、所得税等を支払った後の手取額が結果として財産の増加額となります。法人に不動産収入を集約することによって、財産の増加額を抑制し、相続税の負担を抑制することにも繋がります。

ここで留意すべきは、法人への不動産収入の蓄積額が大きくなると、株主が所有する株式の価値が高くなりますので株式の価値を定期的に把握しておくことが大事となります。

<デメリット>​

  1. 個人よりも事務負担・税理士報酬などのコストが増加する。
  2. 設立コストが発生する。
  3. 赤字でも法人住民税の均等割額が発生する。
  4. 従業員を採用した場合には、社会保険料の負担が生じる。

 法人を設立するには株式会社や合同会社で成立することが多いです。いずれも大きな差はございませんが、合同会社の方が設立コストが安いといったメリットはあります。個人で所有する場合と違い、法人では総勘定元帳を作成するなどの事務的手続が煩雑となります。そのため、処理の代行を税理士などの専門家に依頼する場合には報酬額が高くなるのが一般的です。法人住民税とは、赤字の場合でも必ず支払わなければ税金ですが、資本金や従業員数によって金額が異なります。通常は資産管理会社は資本金1,000万円以下で設立することが多いので、均等割額は年額7、8万円程度の負担となります。均等割額は都道府県・市町村によって金額が少々異なりますので、法人の所在地の都道府県・市町村のホームページなどをご参照願います。

まとめ

 以上のように、不動産を所有する形態については、規模が小さい場合には個人で所有して頂くので問題ないかと思います。しかし、規模が大きくなると個人の税負担は重くなりますので、法人での所有も一つ検討の余地が出てくるかと思います。必ずしも法人の活用がメリットになるかどうかは所得状況や家族構成によって異なりますので、不動産を活用する場合には専門家にご相談することをお勧めします。

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