宮本税理士事務所

個人事業主に所得税の税務調査が入りやすいのはどんなケースか

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個人事業主に所得税の税務調査が入りやすいのはどんなケースか

個人事業主に所得税の税務調査が入りやすいのはどんなケースか

2026/10/06

税務調査は不正を疑われた人だけに行われるものではありません。国税庁は毎年、所得税および消費税の調査等の実施状況や、重点的に取り組んだ事案を公表しています。これらの資料から、税務当局が申告漏れの把握に力を入れている分野や取引類型を確認できます。

ここでは個人事業主が対象になりやすいケースを分類し、実際に調査を受けたときに何が問題になるのかをご紹介します。

「税務調査」にも種類がある

調査と聞くと、職員が事業所を訪れて帳簿を確認する場面を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし実際の調査は「実地調査」と「簡易な接触」に分けられています。

このうち簡易な接触とは、原則として自宅や事業所へ赴かず、文書や電話での連絡、あるいは税務署への来署依頼によって申告内容を確認するものです。件数で見ると、簡易な接触が全体の大部分を占めています。

つまり、税務署から連絡が来たからといって直ちに事務所や自宅等での調査が始まるわけではありません。

なお実地調査は、主に高額または悪質な計算の誤りが見込まれる事案を対象に行われるものと位置づけられています。同じ「調査」でも、どちらに分類されるかで負担も意味合いも大きく異なるのです。

調査対象になりやすいケース

選定の具体的基準は公表されていませんが、目に留まりやすい状況には一定の傾向が見られます。

目を引きやすいケース 税務署が確認したいこと
申告がない、または収入の一部しか申告していない 手元の資料情報と申告内容の食い違い
所得や保有資産の規模が大きい

運用益や譲渡による所得が含まれているか

ネット取引や暗号資産の収入がある

取引により生じた所得が適切に把握され、申告に反映されているか
海外への送金や海外資産がある

国外で生じた所得が申告に反映されているか

売上や利益が前年から大きく動いた

変動の理由に合理性があるか

経費の割合が同業に比べて離れている

私的な支出や架空の計上が混ざっていないか

現金でのやり取りが中心の業種

記録に残らない売上が生じていないか

これらに当てはまること自体がダメというわけではありません。
実際に申告に誤りがあるかどうかとは別です。

前年から数字が大きく動いた

設備を導入した年や大口の案件が一度だけ入った年は、売上や所得率が例年と離れます。この点確認を受ける可能性もありますが、数字だけを見れば不自然でも、契約書や請求書、支払の記録が揃っていれば説明もそれほど難しくありません。

申告内容の確認を受けた場合でも、資料により取引の実態や数字の変動理由を説明でき、申告に誤りがなければ、修正申告等を要しないこともあります。

そこで実情として問題になるのは、税額よりも「時間の負担」といえるでしょう。数年前の取引について経緯を尋ねられたとき、記憶だけで答えようとすると回答に不整合が生じてしまい、かえって確認の範囲が広がることがあります。

一定の事業分野での活動がある

インターネットを介した取引や暗号資産取引などは、国税庁が資料情報の収集・活用を通じて申告漏れの把握に取り組んでいる分野です。ネット通販、アフィリエイト、配達代行など、複数のプラットフォームや取引先から収入を得る事業では、取引の全体像を申告へ正確に反映させることが特に重要になります。

もっとも、これらの取引を行っていることだけを理由に、申告内容に問題があると判断されるわけではありません。取引先や決済手段が複数に分かれる場合は、売上の集計漏れや必要経費の計上漏れが起こらないよう、日頃から取引記録を整理しておく必要があります。

そもそも申告を行っていない

無申告は、国税庁が重点的に把握に取り組んでいる事案の一つです。

事業内容や売上規模によっては、所得税に加えて消費税の申告も必要になります。消費税の申告義務があるにもかかわらず申告していない場合は、所得税とは別に消費税についても本税、加算税、延滞税が生じる可能性があります。

無申告加算税は過少申告の場合より重く設定されており、金額が大きいほど割合も上がります。さらに、意図的に隠していたと認定されれば重加算税としてより大きなペナルティを課されてしまいます。

売上の一部が計上から抜けている

現金で受け取った分や特定の取引先からの入金だけが計上されていない状態で、取引先への確認が行われれば、相手方の帳簿から売上の存在は把握されます。ここで負担を大きく分けるのが資料の扱い方です。

経費の領収書は残しているのに売上に関する書類だけ処分していた、といった状況は隠蔽と評価される危険性があり、重加算税のリスクが高まってしまうでしょう。単なる計上漏れとして扱われるか、仮装隠蔽として扱われるかで、税負担も今後の対応も変わります。

経費に私的な支出が混ざっている

自宅兼事務所の家賃や車両費、通信費などは、業務に必要な範囲で必要経費になります。区分の根拠がないまま全額を計上していると、否認されてしまうためご注意ください。

特に、実体のない支払を経費として計上していた場合は、架空経費の計上として重加算税の対象となる可能性があります。

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