受け取った遺留分も相続税の対象? 遺留分侵害額請求後の申告方法などを紹介

お問い合わせはこちら

受け取った遺留分も相続税の対象? 遺留分侵害額請求後の申告方法などを紹介

受け取った遺留分も相続税の対象? 遺留分侵害額請求後の申告方法などを紹介

2025/12/16

遺言や遺産分割協議によって受け取った財産のみならず、遺留分侵害額請求を行い受け取った金銭についても相続税課税の問題を考える必要があります。
また請求のタイミングによっても申告の方法は変わってくるため、正しい手続きに関して理解することも重要です。

遺留分侵害額請求とは

遺留分侵害額請求とは、受け取れるはずであった最低限の相続分(遺留分)を遺言や生前贈与によって侵害された相続人が、その不足分を金銭で取り戻す行為をいいます。

たとえば、父親が「全財産を長男に相続させる」という遺言を残した場合でも、ほかの相続人(次男や配偶者など)は法律で保障された最低限の取り分を請求できます。

※請求方法は「現物返還」ではなく「金銭請求」であるため、現物を返してもらうことまでは保障されない。

請求ができるのは限られた相続人のみ(被相続人の配偶者や子、親)であり、請求権を行使できる期限にも制限があります。権利が行使できるのは相続開始および遺留分侵害を知った日から1年以内、もしくは相続開始から10年以内です。この期限を過ぎると権利が消滅する点には注意が必要です。

遺留分侵害額請求で受け取った金銭にも相続税が課税

遺留分侵害額請求によって取得した金銭は、相続税法上「相続または遺贈により取得したものとみなす財産」として扱われ、相続税の課税対象となります。

この請求により受け取る金銭は損害賠償金や和解金ではありません。本来相続で受け取るべきだった財産の代わりに取得する金銭であるため、実質的には「相続財産の一部」として扱われるのです。

また、相続税の計算方法もその他一般の相続財産と同様です。受け取った金銭はほかの相続財産と合算して計算します。遺留分だけで個別の相続税が算出されるわけではありません。

遺産全体で基礎控除額以下なら非課税

遺留分のやり取りがある場合でもそうでない場合でも、課税対象となり得る財産の価額を合計して基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えなければ、税負担は基本的に発生しません。

※基礎控除額を超えた部分に課税がある。

そこで、もし取得した財産が遺留分のみであったとしても、相続税課税の有無を判断するため、自身が受け取っていない財産についても把握しなくてはなりません。

遺留分に関する相続税申告の方法

相続税の申告方法は、遺留分侵害額請求がいつ確定したかによって異なります。申告手続きの期限は「相続開始を知った日の翌日~10ヶ月」であり、この期日との関係で手続きが変わってきます。

①申告期限内に請求額が確定した場合

限である10ヶ月以内に遺留分侵害額が確定したケースでは、遺留分権利者は通常の相続税申告と同様、遺留分として受け取った金額を含めて申告・納税を行います。

一般的な流れと変わりはありません。申告期限までに遺留分相当額を加えた相続財産全体に対する相続税を計算し、納付すれば完了です。

一方、遺留分を支払う側は、遺留分の支払い分だけ相続財産が減少するため、その減少後の金額で相続税を計算して申告します。

②申告期限後に請求がされた場合

申告期限を過ぎてから遺留分侵害額請求が行われ、金額が確定した場合は、双方が修正申告や更正の請求を行う必要があります。

遺留分を支払う側 遺留分を受け取る側
更正の請求を行い、払いすぎた税金の還付を受ける 期限後申告または更正の請求により相続税を納付


支払う側は、当初法定相続分で申告していた場合、遺留分の支払いにより実際の取得財産が減少するため、「更正の請求」という手続きで税務署に還付を求めます。受け取る側は、新たに取得した財産に応じた相続税を納める必要があります。

遺留分の支払いという後発的な事情により納付額が変わったときは、支払いが確定した日から4ヶ月以内手続きを済ませましょう。特に追加で納付が必要な場面で期限を過ぎると延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生する危険性があります。

③両者が申告・申請しない場合

税務署への申告手続きを行わず、当事者間で調整するケースもあります。

具体的には、遺留分を支払う側が納めすぎた相続税相当額を遺留分の支払い額に上乗せして渡す方法や別途精算する方法があります。この場合、すでに提出した相続税申告書の内容には影響せず、税務署とのやり取りも発生しません。

ただし当事者間で調整を行うときは、金額や精算方法について書面を作成して合意するなど後日の紛争を防ぐ工夫をすべきでしょう。

----------------------------------------------------------------------
宮本税理士事務所
〒661-0025
兵庫県尼崎市立花町1-28-4 グレストハイツ102
電話番号 : 06-6421-3361
FAX番号 : 06-6421-3362


尼崎市で相続税申告を任せる

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。