配偶者控除にもデメリットがある!相続税で損をしないための要点を解説
2025/11/11
相続で大金を手にしても、その一部は相続税として納めなくてはなりません。もし、財産を得たのが亡くなった方の配偶者なら「配偶者控除」の適用で税負担を大幅に下げることも可能ですが、注意すべき点もあります。
配偶者控除を有効活用するためにも、デメリットを理解しておきましょう。
配偶者控除の利点
配偶者の税額軽減(一般に「配偶者控除」と呼ばれる。)とは、被相続人の配偶者が相続で取得した財産について、次のいずれか多い金額まで相続税をかからなくできる制度です。
・1億6千万円
・配偶者の法定相続分相当額
たとえば遺産総額が3億円で配偶者と子2人が相続人の場合、配偶者の法定相続分は2分の1の1億5千万円ですが、そのケースでは1億6千万円の方が多いため、配偶者が1億6千万円まで相続しても相続税はかかりません。
同制度は、長年共同生活を営んできた配偶者への配慮や配偶者の老後の生活保障、遺産の維持形成に対する配偶者の貢献などを考慮して設けられています。
二次相続で税負担が増加する可能性がある
配偶者控除でもっとも留意すべきデメリットは、「二次相続(残された配偶者が亡くなった際の相続)での税負担が増えてしまうかもしれない」という点です。
※この場合、配偶者控除の適用について考える先の相続を「一次相続」という。
配偶者が使える一次相続に関しては多くの財産を相続しても相続税は少なくできますので、大きな資産を手にしても相続税がゼロになるケースは多々あります。しかしその分別の機会に負担のしわ寄せがやってくるケースもあるのです。
二次相続で税負担が増す原因
二次相続では次の原因により、税負担が増す可能性が高まります。
| 二次相続で相続税の負担が増える要因 | |
| 基礎控除額が少なくなる | 相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される。一次相続では配偶者と子で法定相続人が3人だった場合、基礎控除額は4,800万円となるが、二次相続では子2人のみとなり基礎控除額は4,200万円に減少します。つまりこのケースでは600万円分課税財産が増えることになる。 |
| 配偶者控除が使えない | 二次相続では配偶者がいないため、配偶者の税額軽減を適用できない。一次相続で最大の節税効果を発揮していた制度が、二次相続ではまったく使えなくなる。 |
| 適用税率の変化 | 相続税は累進課税制度を採用しており、課税対象額が増えるほど税率が高くなる。相続税率に関しては1人あたりの法定相続分の大きさに対応しており、仮に同じ相続財産だとすれば人数の少ない二次相続の方が1人あたりの法定相続分が大きくなり、適用される税率も大きくなる可能性がある。 |
常に二次相続の納税額が大きくなるわけではありません。しかし、このような傾向があることは知っておくと良いでしょう。
配偶者控除への頼り過ぎが負担を膨らませる
一次相続で配偶者控除に頼り過ぎると、二次相続の負担は大きくなりやすいです。
相続税は相続される財産の大きさに比例し、上記のとおり1人あたりの法定相続分に応じて税率も変わってきます。このことから、二次相続まで考慮して負担を最適化するには、できるだけ財産を分散させておくことが有効といえます。
しかし一次相続の負担だけに着目すると、「配偶者控除があるのだからできるだけ多く妻(または夫)が財産を取得した方がお得」というように見えてしまいます。
眼前の相続だけを考えてしまい全財産を配偶者が取得すると、次の相続でまとまった財産を子が取得することになります。そうなると配偶者控除が使えない状況下ですので、相応に大きな税負担が生じることになるかもしれません。
その他の注意点
二次相続での税負担に注意することのほか、以下の点にもご注意ください。
- 未分割のままでは適用できない
・・・相続税の申告期限(相続開始から10か月以内)までに遺産分割が完了していない財産には配偶者控除を適用できない。「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出するなどの対応が必要。
- 申告書の提出が必須
・・・控除の適用で相続税がゼロになるとしても、相続税の申告書は提出しなければならない。申告を怠ると控除が適用されない。
- 戸籍上の配偶者のみが対象
・・・内縁関係や事実婚のパートナーでは、どれだけ長年連れ添っていても配偶者控除の対象外。婚姻届を提出して法的に認められた配偶者のみが適用を受けられる。
「配偶者控除をどれだけ利用するべきか」「二次相続に向けてどのように遺産分割を行うべきか」「適用の手続きはどうやって進めるのか」、こうした悩みがあるときは税理士にご相談ください。
配偶者控除は強力な仕組みですが、使い方を誤ると後々納税のシーンで困ることになるかもしれません。専門家の助言も活用しながら配偶者控除のメリットを最大限活かしましょう。
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