2024年改正後もタワマン節税の効果あり?計算方法や注意点について
2025/07/07
タワーマンションを活用した相続税の節税、いわゆる「タワマン節税」という手法があります。
現金や預金をそのまま保有するよりタワマンを購入した方が相続税の負担を大幅に下げられることから広く知られていた方法ですが、2024年からは法改正の影響を受けて従来ほどの効果が得られなくなっています。
どのように変わったのか、新たに定められた計算方法などをここでご紹介します。
そもそもタワマン節税とは何だったのか
「タワマン節税」とは、タワーマンションの購入価格と相続税を計算するときの評価額の差を利用した節税方法のことです。
たとえば、1億円で購入したマンションが相続時の計算で4,000万円と評価されるといった具合に、大きな差額が生じます。この差額を有効に利用して節税を狙うのです。
この差額が生まれる理由は、相続税の評価方法にあります。現金1億円を相続すればそのまま1億円として相続税がかかります。しかし、不動産を購入すれば購入価格ではなく固定資産税評価額や路線価を使った一定の算式から相続税評価額を算出します。この評価方法の違いにより、数割程度金額が下がっていました。
特にタワーマンションの高層階だと、眺望の良さや希少性から市場価格は高くなる一方、相続税の評価方法では階数による差がほとんど反映されず、高層階ほど購入価格と評価額の差が大きくなり節税効果も高くなっていたのです。
法改正が行われた背景
国税庁の調査によると、マンションの相続税評価額は市場価格の40%程度と、大きな乖離が生じていることがわかっていました。
つまり、1億円のマンションが相続税の計算では4,000万円程度として扱われていたということです。
差があまりにも大きく、税制の公平性を損なうとして問題視されるようになったため、問題を是正するよう法改正が行われました。
2024年改正で変わったこと
2024年1月1日以降、タワマン節税に直接影響を与える改正法が適用されるようになりました。
この変更の大きなポイントは「区分所有補正率」という新しい仕組みが導入された点にあります。
その結果、従来の方法でマンションの相続税評価額が市場価格の6割を下回っていたとしても、6割までは評価額を引き上げるような形がとられています。
そのため節税効果は従来に比べると縮小されることとなりました。
評価額の新しい計算方法
改正法施行後は、マンションの価額を次のように評価します。
マンションの価額 = ①区分所有権の価額+②敷地利用権の価額
※①は「従来の区分所有権の価額(固定資産税評価額)×区分所有補正率」で計算。
※②は「従来の敷地利用権の価額(路線価方式または倍率方式で算出)×区分所有補正率」で計算。
つまり、「区分所有補正率」というものの値を知る必要があるのですが、そのためには次項で説明する「評価乖離率」および「評価水準」を調べなければなりません。
評価乖離率の計算がポイント
新しい評価方法の核となる概念が「評価乖離率」です。
評価乖離率とは、築年数・総階数・所在階・敷地持分狭小度の4つの要素を組み合わせて算出する値で、次の算式を用いて導出します。
評価乖離率 = A+B+C+D+3.220
Aは「築年数×(-0.033)」で計算。
Bは「総階数指数×0.239」で計算。
総階数指数とは、総階数÷33から導き出される値。ただし1を上限とする。
Cは「所在階×0.018」で計算。
Dは「敷地持分狭小度×(-1.195)」で計算。
敷地持分狭小度とは、敷地利用権の面積÷専有部分の面積から導き出される値。
築年数15年、総階数11階、所在階3階、敷地利用権の面積19.95㎡、専有部分の面積59.69㎡だとすれば、次のように計算されます。
評価乖離率 = -0.495+0.079+0.054-0.401+3.220
= 2.457
区分所有補正率を従来の価額に適用する
評価乖離率が求まれば、そこからいったん「評価水準」と呼ばれる値を計算します。
評価水準 = 1÷評価乖離率
最後に、評価水準の大きさに対応した区分所有補正率を次の表に対応する形で算出します。
| 評価水準の大きさ | 評価水準に対応した区分所有補正率 |
| 0.6未満 | 評価乖離率×0.6 |
| 0.6以上1以下 | ―(補正なし) |
| 1超 |
評価乖離率 |
上の例に沿って評価乖離率が「2.457」であるとすれば、評価水準は「0.407・・・」となります。
この値は0.6未満であるため、区分所有補正率は評価乖離率に0.6を乗じた「1.4742」と算出できます。
そしてこの値を上記①および②に乗じて、相続税評価額が明らかになります。
改正後もタワマン節税は可能
改正により従来のような大幅な節税効果は期待できなくなりましたが、効果が得られなくなったわけではありません。依然、現預金より不動産を保有している方が相続税対策として有効であることに変わりはありません。
ただし、法改正を受けて単独での節税効果は縮小されたため、より節税効果を高めたいのであればタワーマンション節税だけでなくほかの節税対策との併用も検討しましょう。
たとえば小規模宅地等の特例や生前贈与、生命保険の活用など、複数の手法を組み合わせることで納付すべき相続税全体の金額を下げることができます。
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