株式や暗号資産を相続したときの計算方法~相続税評価額の調べ方について~

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株式や暗号資産を相続したときの計算方法~相続税評価額の調べ方について~

株式や暗号資産を相続したときの計算方法~相続税評価額の調べ方について~

2025/05/12

遺産を相続したときは、相続税の申告の必要性を把握するためにも、納付すべき税額を計算するためにも、各財産の価格を調べなくてはなりません。遺産が株式や暗号資産(仮想通貨)であっても同様です。それぞれにつき「○○円」と具体的な金額を把握できなければ相続税の計算が進められません。

現金・預金などと異なり複雑な計算を要するため税理士への相談をおすすめしますが、評価方法の概要を知りたいという方は当記事をご一読いただければと思います。

相続税を計算するには相続税評価額が必要

相続税は、亡くなった方から相続や遺贈などにより承継したほぼすべての財産に対して課税されます。墓地や墓石、債務など一部課税の対象から外れるものもありますが、“金銭に見積もることができる経済的価値のある財産”といえるものは相続税の課税対象です。

そして上場株式や非上場株式、暗号資産もこの定義に当てはまります。

よって、亡くなった方がこれらの財産を持っていたときは相続開始後にそれぞれ何円なのかを評価する必要があるのです。相続税の計算上における各財産の価格を「相続税評価額」と呼び、その大きさは、納税者間の公平を図るため一定の方法により評価することが法令上求められています。

株式の価額の調べ方

株式には「上場株式」と「非上場株式」の2つのタイプがあります。

投資目的で比較的多くの方が保有しているのは上場株式で、こちらは主に金融商品取引所に上場されている株式を指しています。
そして上場株式以外の株式が非上場株式で、たとえば中小企業の代表者自身が経営権を持つ目的で保有しているケースなどが考えられます。

それぞれ評価方法が大きく異なりますので、上場株式と非上場株式に分けて相続税評価額の計算方法を見ていきましょう。

上場株式の場合

上場株式では、以下いずれかのうち低い価額により評価します。

 

  1. 課税時期の最終価格
  2. 課税時期の属する月以前3ヶ月間の毎日の最終価格の月平均額(以下3つ)

 ・“課税時期の属する月”の毎日の最終価格の月平均額

 ・“課税時期の属する月の前月”の毎日の最終価格の月平均額

 ・“課税時期の属する月の前々月”の毎日の最終価格の月平均額

※複数の金融商品取引所に上場されているときは、納税者にとって有利な選択をして良い。

 

そのため、次の例ように相続開始前に価格が上昇してきている上場株式があるときでも、相続開始時点より最大2ヶ月前の月の平均額を採用して評価を行うことができます。

例)被相続人が亡くなった6月10日(課税時期)における最終価格が「2,000円」、6月の最終価格の月平均額が「1,700円」、5月の最終価格の月平均額が「1,500円」、4月の最終価格の月平均額が「1,400円」だとすれば、このうちもっとも低い価額の「1,400円」を採用。
・・・1万株を保有しているときは[1,400円×10,000=14,000,000円]となる。

 

※課税時期に値がないときの評価方法

課税時期が土日祝や年末年始、暴落により値が付かない場合などには、課税時期前後からもっとも近い日の値を採用する。

・課税時期6月10日および6月9日において値が付いておらず、6月11日に値が付いているのなら、11日における最終価格を採用する。

・課税時期6月10日において値が付いておらず、6月9日および6月11日に値が付いているのなら、両日の平均額を採用する。

 

非上場株式の場合

取引相場のない「非上場株式」の評価方式は、取得した株式の議決権割合に応じて①原則的評価方式と②配当還元方式の2パターンにまずは分かれます。

議決権割合が高いなど会社経営を目的に所有していると考えられるときには①、一方、配当金の受け取りを目的に所有していると考えられるときには特例として②による評価を認めています。

※①への該当性は、親族等のグループ全体で議決権割合30%以上を持つかどうかが大きな判断基準となる。この「同族株主」に該当した場合でも、相続人が5%未満の議決権割合しか持たずほかに中心的な同族株主がいる、会社役員でもない、などの条件を満たせば②に該当することもある。

 

さらに①の場合は、会社規模に応じて評価額が異なります。そこで、各ケースにおける評価方法を整理すると次のようにまとめることができます。

 

評価方式 規模の区分 評価方法の概要
①原則的評価方式 大会社

原則として「類似業種比準価額」で評価。

※配当金額、利益金額、純資産価額の3要素から、類似する上場会社の株価を参考に評価する方法。

※類似業種比準価額より「1株あたりの純資産価額」の方が低くなる場合はその金額が評価額となる。

中会社

「類似業種比準価額」と「1株あたりの純資産価額」の両方を組み合わせて評価。

※[類似業種比準価額×Lの割合+1株あたりの純資産価額×(1-Lの割合)]の算式により評価。会社規模が大きいほどLの割合も大きくなり大会社における評価額に近くなる。

小会社

原則として「1株あたりの純資産価額」で評価。

※会社を解散したと想定したときの、株主に分配される清算金を参考に評価する方法。

※1株あたりの純資産価額より[類似業種比準価額×0.5+1株あたりの純資産価額×0.5]の方が低くなる場合はその金額が評価額となる。

②配当還元方式

株式の所有により受け取った1年間の配当金額を一定の利率(10%)で還元することにより、元本である株式の価額を簡便的に評価する方法。

 

非上場株式の相続税評価額を正確に把握するには多くのデータを集めなくてはなりませんし、複雑な計算も必要となります。計算ミスも起こりやすいため、税理士をご活用ください。

暗号資産の価額の調べ方

暗号資産の相続税評価額の調べ方は「当該暗号資産について活発な市場が存在するかどうか」で大きく分かれます。2つのパターンに分けて評価方法を紹介していきます。

活発な市場が存在する場合

「活発な市場が存在する場合」とは、暗号資産取引所や暗号資産販売所等において十分な数量・頻度で取引が行われていて、価格の情報が継続的に提供されている場合を意味します。

たとえばビットコインやイーサリアムなど代表的な暗号資産のように、売り買いがすぐにできる、取引金額がすぐにわかるような市場で取り扱われている、という状態にあるなら活発な市場が存在するといえるでしょう。

そして活発な市場が存在するときの暗号資産の相続税評価額は、以下いずれかの方法により調べます。

 

  • 取引所から残高証明書を取得する・・・取引所の運営元に、被相続人が亡くなった日における残高証明書を請求。そこに記載された金額を相続税評価額とする。
  • 課税時期における取引価格を調べる・・・取引所で公表されている、被相続人が亡くなった日における取引価格を確認。被相続人が暗号資産を売却したとすれば得られた金額を相続税評価額とする。

活発な市場が存在しない場合

活発な市場が存在しない場合、当該暗号資産の交換価値の把握は難しくなります。

そこで相続税評価額を調べる方法として、「過去の取引価格を参考にする」「暗号資産に詳しい専門家に価格を定めてもらう」「取得価額を参考にする」などのアプローチが考えられます。

状況に適した評価方法を採用する必要がありますし、活発な市場が存在しないと思われるときは税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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